「どの自転車ラックなら、計画中の駐輪場スペースに〇〇台の自転車を収容できる?」
「通路幅や設置間隔など、適切な駐輪場の寸法がわからない。」
この記事では、限られた駐輪場スペースに、希望台数の自転車を収めるために、自転車ラック毎に駐輪場の寸法(設置間隔や通路幅など)と計算式を、平面図と共に掲載しています。
ラックの選定と駐輪場設計の一助になれば幸いです。
また、ラックの図面ダウンロード(DXF/JWW/PDF)や無料の設計協力も承っていますので、ぜひご活用ください。
目次
・間口:駐輪場スペース全体の横幅。
・設置間隔(ピッチ):ラックを設置する間隔です。広ければ広いほど、自転車を収容しやすくなります。
・両端の寸法:【忘れがちなので要注意】駐輪場の右端と左端。斜め設置の場合は寸法が広くなります。
・奥行:駐輪場スペースの全体の縦幅。奥行=製品奥行+通路幅。
・製品奥行:自転車を収容した状態の自転車ラックの奥行。斜め設置の場合は、製品奥行を抑えられるが、収容台数は減ります。
・通路幅:ハンドルを切替しながら自転車の収容ができるだけの通路の幅。
・2段式の自転車ラックを採用するには、2500mm以上(2段式下段スライドラックは2600mm以上)の天井高が必要になります。
駐輪場の奥行や通路幅が足りない場合は、ラックの角度を振ることで奥行を抑えることができます。
ただし、設置間隔と両端寸法(=間口)を広くとる必要があり、その分収容台数が減ります。
普通自転車 | 大型自転車① | 大型自転車② | |
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自転車 | 普通自転車 電動アシスト自転車(後ろかご無) |
カゴ付き自転車 2人乗り電動アシスト自転車 3人乗り自転車(電動無し) |
3人乗り電動アシスト自転車 |
重量 | ~25kg | 25kg~30kg | 30kg以上 |
対応ラック | 全製品 | 垂直2段式ラック/2段式下段スライドラックラック/スライドラック/平置きラック(BC-40以外)/デザインラック | |
その他 | 弊社が提供する平面図、台数計算式は、 このタイプの自転車収容が前提 (長さ1800mm/高さ1150mm/幅570mm)。 |
3人乗り電動アシスト自転車に対応した製品であっても、 連続収容が想定される場合は、設置間隔を広げる、または台数を間引く必要があります。 |
近年、街中でよく見かけるようになった3人乗りの電動アシスト自転車。子育て世代を中心に年々利用が拡大しています。
その一方で、駐輪場は自転車の大型化に対応できず、「自転車の重さに耐えられずラックが破損」「自転車が駐輪場から溢れてしまっている」などの問題が発生しており、弊社でもたくさん問い合わせをいただきます。
そのため、駐輪場設計の際は、あらかじめ大型自転車の大きさや重さを前提に駐輪場を計画することが重要です。
ビシクレットでは、大型自転車に対応したラックを多数ご用意しています。必要台数や設置環境などに応じてお選びください。
上図のように、普通自転車と大型自転車の収容を比較すると、大型自転車のほうがスペースを必要とすることが分かります。
駐輪場スペースを十分に確保することで、
・連続するチャイルドシートの間に利用者が入ることで、重い自転車を安定させて出し入れすることができる。
・両隣の自転車との干渉がなくなり、出し入れしやすい。
・広い通路幅を確保することで、ハンドルを切りやすい。
・荷物と子供を抱えながらの駐輪に、心理的にも余裕が生まれる。
など、安心安全に駐輪場を利用することができます。
大型自転車の収容が想定される駐輪場は、設置間隔と通路幅は十分に確保するようにしましょう。
駐輪場、特に都内マンションの駐輪場は、設置スペースが限られていることが多く、必要台数を確保するだけでも難しい場合があります。効率的かつ使いやすく自転車を収容するために、自転車ラックの採用が効果的です。
自転車ラックは、縦空間を活用(2段式タイプ)したり、隣り合う自転車のハンドルやチャイルドシートの干渉を避けることで、自転車の収容効率を上げます。この項目では、自転車ラックごとに特徴、駐輪場寸法、台数計算式を平面図と共に記載します。
駐輪場平面図(DXF/JWW/PDF)も無記名でダウンロードできますので、駐輪場の設計にお役立てください。
特徴
製品名 | 角度 | 設置間隔 | 奥行(自転車収容時) | 台数計算式 | 間口5mの 台数目安 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
製品奥行(下) | +通路幅 | =奥行合計 | |||||
BC-W-ARS →製品ページから図面DL |
標準10° | 500mm | 2410mm | 1380mm〜 | 3790mm〜 | 上:(間口-400)÷500 下:(間口-600-450n)/300 |
上9/下13 計22台 |
20° | 535mm | 2340mm | 1310mm〜 | 3650mm〜 | 上:(間口-915)÷535 下:(間口-800-475n)/320 |
上7/下11 計18台 |
|
30° | 580mm | 2195mm | 1300mm〜 | 3495mm〜 | 上:(間口-1420)÷580 下:(間口-1000-515n)/345 |
上6/下10 計16台 |
|
BC-W-AIR →製品ページから図面DL |
標準10° | 500mm | 2380mm | 1380mm〜 | 3760mm〜 | 上:(間口-400)÷500 下:(間口-600-450n)/300 |
上9/下13 計22台 |
20° | 535mm | 2300mm | 1310mm〜 | 3610mm〜 | 上:(間口-915)÷535 下:(間口-800-475n)/320 |
上7/下11 計18台 |
|
30° | 580mm | 2140mm | 1300mm〜 | 3440mm〜 | 上:(間口-1420)÷580 下:(間口-1000-515n)/345 |
上6/下10 計16台 |
特徴
製品名 | 角度 | 設置間隔 | 奥行(自転車収容時) | 台数計算式 | 間口5mの 台数目安 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
製品奥行(下) | +通路幅 | =奥行合計 | |||||
クランクSG →製品ページから図面DL |
標準 (梁式) |
450mm | 2450mm | 1500mm〜 | 3950mm〜 | 上:(間口-700)÷450+1 下:(間口-700)÷280 |
上10下15 計25台 |
10° (独立柱) |
455mm | 2390mm | 1500mm〜 | 3890mm〜 | 上:(間口-1200)/455+1 下:(間口-600)÷280 |
上9/下15 計24台 |
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20° (独立柱) |
480mm | 2320mm | 1410mm〜 | 3730mm〜 | 上:(間口-1700)/480+1 下:(間口-800)÷320 |
上7/下13 計20台 |
|
30° (独立柱) |
500mm | 2180mm | 1300mm〜 | 3480mm〜 | 上:(間口-2200)/500+1 下:(間口-1000)÷345 |
上6/下11 計17台 |
特徴
製品名 | 角度 | 設置間隔 | 奥行(自転車収容時) | 台数計算式 | 間口5mの 台数目安 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
製品奥行(上) | +通路幅 | =奥行合計 | |||||
BC-W-1G →製品ページからDL |
標準 | 450mm | 1995mm | 1700mm〜 | 3695mm〜 | (間口-800)÷450+1=セット数 | 20台 |
15° | 470mm | 1950mm | 1600mm〜 | 3550mm〜 | ①(間口-950)÷470+1=セット数 ②(間口-1400)÷470+1=セット数 |
①18台 ②16台 |
|
30° | 520mm | 1810mm | 1450mm〜 | 3260mm〜 | ①(間口-1300)÷520+1=セット数 ②(間口-2100)÷520+1=セット数 |
①16台 ②12台 |
|
BC-W-1GH →製品ページからDL |
標準 | 450mm | 1900mm | 1700mm〜 | 3600mm〜 | (間口-810)÷450+1=セット数 | 20台 |
15° | 470mm | 1870mm | 1600mm〜 | 3470mm〜 | ①(間口-950)÷470+1=セット数 ②(間口-1400)÷470+1=セット数 |
①18台 ②16台 |
|
30° | 520mm | 1760mm | 1450mm〜 | 3210mm〜 | ①(間口-1300)÷520+1=セット数 ②(間口-2100)÷520+1=セット数 |
①16台 ②12台 |
特徴
製品名 | 角度 | 設置間隔 | 奥行(自転車収容時) | 台数計算式 | 間口5mの 台数目安 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
製品奥行 | +通路幅 | =奥行合計 | |||||
BC-OSF →製品ページから図面DL |
標準10° | ‐ | 2220mm | 1300mm〜 | 3520mm〜 | (間口-600)÷280 | 15台 |
20° | ‐ | 2140mm | 1300mm〜 | 3440mm〜 | (間口-800)÷320 | 13台 | |
30° | ‐ | 1950mm | 1300mm〜 | 3250mm〜 | (間口-1000)÷345 | 11台 | |
AR-SF →製品ページから図面DL |
標準10° | ‐ | 2210mm | 1300mm〜 | 3510mm〜 | (間口-600)÷280 | 15台 |
20° | ‐ | 2110mm | 1300mm〜 | 3410mm〜 | (間口-800)÷320 | 13台 | |
30° | ‐ | 1935mm | 1300mm〜 | 3235mm〜 | (間口-1000)÷345 | 11台 |
特徴
製品名 | 角度 | 設置間隔 | 奥行(自転車収容時) | 台数計算式 | 間口5mの 台数目安 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
製品奥行 | +通路幅 | =奥行合計 | |||||
BC-OSR →製品ページから図面DL |
標準10° | ‐ | 1950mm | 1300mm〜 | 3250mm〜 | (間口-600)÷280 | 15台 |
20° | ‐ | 1850mm | 1300mm〜 | 3150mm〜 | (間口-800)÷320 | 13台 | |
30° | ‐ | 1750mm | 1300mm〜 | 3050mm〜 | (間口-1000)÷345 | 11台 | |
AR-SR →製品ページから図面DL |
標準10° | ‐ | 1910mm | 1300mm〜 | 3210mm〜 | (間口-600)÷280 | 15台 |
20° | ‐ | 1830mm | 1300mm〜 | 3130mm〜 | (間口-800)÷320 | 13台 | |
30° | ‐ | 1670mm | 1300mm〜 | 2970mm〜 | (間口-1000)÷345 | 11台 |
特徴
製品名 | 角度 | 設置間隔 | 奥行(自転車収容時) | 台数計算式 | 間口5mの 台数目安 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
製品奥行 | +通路幅 | =奥行合計 | |||||
BC-300 →製品ページから図面DL |
標準 | 300mm | 1965mm | 1300mm〜 | 3265mm〜 | (間口-700)÷300+1 | 15台 |
15° | 320mm | 1880mm | 1260mm〜 | 3140mm〜 | ①(間口-770)÷320+1 ②(間口-1170)÷320+1 |
①14台 ②13台 |
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30° | 350mm | 1710mm | 1150mm〜 | 2860mm〜 | ①(間口-1080)÷350+1 ②(間口-1780)÷350+1 |
①12台 ②10台 |
特徴
製品名 | 角度 | 設置間隔 | 奥行(自転車収容時) | 台数計算式 | 間口5mの 台数目安 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|
製品奥行 | +通路幅 | =奥行合計 | |||||
BC-40 →製品ページから図面DL |
標準 | 400mm | 1850mm | 1200mm〜 | 3050mm〜 | (間口-700)÷400+1 | 11台 |
15° | 415mm | 1800mm | 1160mm〜 | 2960mm〜 | ①(間口-800)÷415+1 ②(間口-1170)÷415+1 |
①11台 ②10台 |
|
30° | 405mm | 1635mm | 1040mm〜 | 2675mm〜 | ①(間口-1200)÷405+1 ②(間口-1800)÷405+1 |
①10台 ②8台 |
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45° | 480mm | 1350mm | 1000mm〜 | 2350mm〜 | ①(間口-1450)÷480+1 ②(間口-2300)÷480+1 |
①8台 ②6台 |
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BC-450 →製品ページから図面DL |
標準 | 450mm | 1900mm | 1200mm〜 | 3100mm〜 | (間口-700)÷450+1 | 10台 |
15° | 470mm | 1850mm | 1160mm〜 | 3010mm〜 | ①(間口-850)÷470+1 ②(間口-1220)÷470+1 |
①9台 ②9台 |
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30° | 520mm | 1700mm | 1040mm〜 | 2740mm〜 | ①(間口-1100)÷520+1 ②(間口-1700)÷520+1 |
①8台 ②7台 |
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45° | 640mm | 1400mm | 1000mm〜 | 2400mm〜 | ①(間口-1450)÷640+1 ②(間口-2300)÷640+1 |
①6台 ②5台 |
前述のとおりです。詳しくは、こちらをご覧ください。
屋根も併せて設置する場合、屋根の支柱と接触しないように駐輪場を設計する必要があります。
角度を振る側に壁がある場合、末端のラックから壁までの寸法を十分に確保する必要があります。
自転車を引き出す際に壁と接触せずに出し入れしやすくするためです。
一部自治体では条例で独自の寸法基準を定めている場合があります。
例えば横浜市では、1台あたり幅500mm以上、長さ2000mm以上、通路幅は敷地内に1500mm以上必要と定めており、駐輪区画から敷地外道路へ直接引き出すレイアウトは不可とされています。(2021年10月時点)条例の有無や内容は自治体によって異なりますので、設計に際しては各自治体へご確認下さい。
駐輪場のスペースに充分余裕がある場合は、ラックを採用せずに駐輪場の設計・設置が可能です。
機器の購入と工事が不要なため、コスト削減が期待出来ます。
また、ラックを採用しない場合でも、白線引きを推奨しています。白線を引くだけで、決まった場所に自転車を置くようになり、自転車がきれいに収容されるようになります。
普通自転車のサイズは道路交通法で定義されており、長さ1900mm、幅600mmを超えないものと定められています。
つまり、自転車ラックを使用しない平置き駐輪場の場合、長さ1900mm、幅600mm以上の区画寸法とすれば、普通自転車を確実に収容できます。チャイルドシート等のついた大型自転車を入れない想定でしたら最小幅500mmまで縮めることも可能です。
通路幅は自転車の奥行と同程度確保することで、自転車利用時にまっすぐ引き出すことが可能です。通路幅をとる余裕がなく、ハンドルを切り返しながら利用する場合は最低1200mm程度あれば利用できます。
近年、3人乗り電動アシスト自転車など大型自転車の普及がすすんできました。
普通自転車を想定した駐輪場に大型自転車を連続収容すると、チャイルドシート同士の間に体を入れることが難しく利用しづらい場合がありますので、区画幅を700mm以上確保できると理想的です。
また、多くの3人乗り自転車や電動アシスト自転車は自転車自体の重量が25~40kgと重いことから、両立スタンドを採用しています。スタンドを立てる動作によって自転車が後輪側へ移動しますので、大型自転車用区画の奥行は長さ2000mm以上がおすすめです。前輪部分に盗難防止バーや車止めなどを設置する場合、その位置から2000mm程度確保できるようご検討下さい。
通路幅は、ハンドルを切り返しながら利用する場合で最低1500mm程度必要です。
この記事では、駐輪場スペース内に自転車を必要台数収めるために、自転車ラックごとに駐輪場寸法や台数計算式について説明しました。
駐輪場の設計において自転車を収めること以外にもう一つ大切なことがあります。それは駐輪場の使いやすさです。
ビシクレットは、『快適な駐輪場を全ての人に』をビジョン掲げ、創業から「利用者目線の駐輪場」にこだわり続けています。
駐輪場の実績は18000件以上。描いた図面の数だけ、知見とノウハウがあります。
私たちに設計協力を依頼いただければ、使いやすい「快適な駐輪場」をスピーディーに作図可能です。設置後に「使いにくい」とならないためにも、ぜひ設計協力をご依頼ください。
この記事の監修
株式会社ビシクレット
駐輪場ひとすじ26年、 納品実績18,000件以上の駐輪場専門の会社。
マンション、自治体、商業施設、民間の駐輪場を中心に、設計から販売、設置、運営管理までワンストップで対応。平成29年度駅前放置自転車対策事業に関し東京都より感謝状を受贈。
現地調査、見積依頼、製品について、カタログ請求など、お気軽にご相談ください。