失敗しないマンション
駐輪場リニューアル
のために

マンション駐輪場のリニューアルを成功へ導くためにまず必要なのは現状把握。つまりアンケートの実施です。この記事では、アンケートの目的や駐輪場リニューアルのポイントを簡単に解説しています。アンケートフォームの無料ダウンロードもご用意していますので、ぜひご活用ください。

まずは問題整理から

管理組合に寄せられる駐輪場問題は、

  • 1.駐輪台数不足
  • 2.電動アシスト自転車の増加
  • 3.駐輪場の老朽化(自転車ラック、屋根、ラインなど)
  • 4.駐輪場の使い勝手の悪さ(自転車ラックの問題も)
  • 5.駐輪場の美観が損なわれている
  • 6.避難通路や各階の共有部の廊下に放置(消防上の問題)
  • 7.自転車の盗難やいたずら
  • 8.駐輪場の薄暗さ(防犯上)
  • 9.壊れている自転車や乗らなくなった自転車の増大
  • 10.駐輪台数・保有台数の把握がなく、利用区画も不明で野放し状態
  • 11.確認申請なしで過去に増設工事をおこなっている
  • 12.風により頻繁に自転車が倒れる

などが代表的な問題です。これらの問題が複合的に複雑に絡んで駐輪場問題として現れます。マンション管理組合としては、現在抱えている問題を上記のような項目に整理します。
そして、駐輪場リニューアルで解決出来る問題と運用ルールを決めて解決する問題を区別し、優先順位をつけていきます。
最近では、電動アシスト自転車の普及やチャイルドシート付自転車が増え、単に台数だけの問題ではなく、自転車の重量やサイズ等を考慮にいれた問題解決が必要になります。

失敗しないためのチェックポイント

アンケートを実施しましょう

大規模なマンションになるほど、対象となる居住者が増え、なかなか問題解決の糸口が見つけにくくなります。そこで、居住者に対してアンケートを実施し、本当に必要な駐輪台数を割り出し、居住者の不満点を明確にします。そして、最後にマンション管理組合としての優先順位を決定し、居住者と合意形成をすることが失敗しないためのチェックポイントです。
アンケートのひな形については、問合せフォームよりダウンロードができますのでご活用ください。

小冊子、アンケートのひな形を
ダウンロードする

1.アンケートの実施

アンケートの目的 1

保有自転車の種類と置き場所の把握

特に区別すべき自転車は
 ・電動アシスト自転車
 ・チャイルドシート付自転車

これらの数がどれだけの割合を占めるかによって、駐輪場の設計が変わります。また自転車を保有している人の中に占める高齢者の割合もひとつのポイントになります。高齢者の多いマンションで、駐輪場の台数確保のために2段式ラックを設置しても、結局上段が使われなかったという失敗例があるからです。

アンケートの目的 2

今後の自転車購入見込みとその目的

子どもたちの成長と共に自転車の台数も変化していきます。子育て世代が多いマンションでは、将来を見越した設計が必要です。現状の自転車台数の把握だけではなく、将来の保有台数を予測した駐輪場リニューアルの設計を行う必要があります。

アンケートの目的 3

現状の駐輪場の問題点について把握

同じ駐輪場の自転車ラックについてでさえも、ある人はとても便利、ある人はとても使いにくいと、大きく意見が分かれている場合があります。居住者の方々が、現状どんな不満を持っているかの分析が必要です。

2.絶対必要駐輪台数の確定

マンションに必要な自転車の駐輪台数を正確に把握しなければなりません。
現在の駐輪場に自転車ラックがない状態で、駐輪自転車も管理できていない場合は、実際に駐輪されている自転車が誰のものか、不要の自転車が駐輪されていないか、そして乗り捨てられた自転車が何台あるかなどを調査します。実作業も含め大変手間のかかる作業ですが、アンケート収集と同様、マンション管理組合としてはきちんと把握する必要があります。
既に自転車ラックを利用し、駐輪自転車を管理できている場合は、前述のアンケート結果をもとに絶対必要駐輪台数を計算します。

絶対必要駐輪台数=
(駐輪希望台数)+将来の購入予定(子育て家族が多い場合)-(不要自転車台数)-(不正駐輪台数)

3.マンション管理組合としての優先順位の確定(最初の合意形成)

マンション管理組合として一番重要なのは、何を優先順位として改善をしていくかという合意形成です。
アンケート結果をもとに、何が原因でどんな問題が起きているのか、そして居住者は何に不満を持っているのか、等を公平に見ていくと漠然と何をすべきかが分かってきます。
但し、この段階で、ひとつひとつの事象について“こうすべきだ”とか、“こんな風にしたらよい”等というような議事進行をしたとしても、なかなか結論に至りません。また、そこで結論が出て、こうしたいということが決まったとしても、それが実現できるかどうかは定かではありません。
駐輪場には駐輪場専門の知識と経験が必要です。要望の優先順位の確定は必ずすべきことですが、そこから先は駐輪場専門のビシクレットにご相談ください。詳細な現地調査の上、最適なプランをご提案いたします

マンション駐輪場の電動アシスト自転車対策

先にも述べた通り、近年マンション駐輪場では電動アシスト自転車の増加が問題となっております。
電動自転車の生産数は右肩上がりで、ここ数年で急速に普及しました。
一般的なシティサイクルは、重さが16~20kg。一方、3人乗りの電動アシスト自転車は30kg以上もあり、縦にも横にも広くより多くのスペースを必要とし、かつ重量に耐えられる製品の選定が必要になります。非対応の自転車ラックに電動アシスト自転車をを乗せて使用し続けると、故障や不具合の原因となります。また、固定式の2段式ラックの下段に3人乗り電動自転車を収容すると、上段ラックが使えなくなってしまいます。
必要収容台数の何割が電動アシスト自転車なのかアンケートなどで把握し、今後も増えることを考慮して余裕のある設計にしましょう。特にファミリータイプのマンションはどのくらい電動アシスト自転車の利用があるか、必ず確認をしましょう。
マンション駐輪場の電動自転車対策について、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

自転車ラックの基礎知識

マンション駐輪場に使われる自転車ラックを大きく分類すると、平面式、2段式の2種類に分かれます。
さらに細かく分類すると、平面式はスライドラック、傾斜ラック、平置きラック、デザインラック、
2段式は垂直2段式ラック、2段式下段スライドラック、2段式ラックの計7種類に分類することができます。

スペースに余裕があれば、平面式の自転車ラックを

マンションの敷地に余裕があり、わざわざ2段式に自転車を駐輪しなくてもよい場合、つまり自転車を平置きできる場合の選択肢としては、平面式の自転車ラックを選ぶ場合がほとんどです。費用も2段式と比べるとかなり割安です。

特に敷地に余裕がある場合は「平置きラック」が、安価で使いやすいです。
スペースがあるのだからラックは必要ないと思うかもしれませんが、自転車にはハンドルがあり、ラックなしでの駐輪は前輪が斜め横を向き、思いのほかスペースを取ります。
また、自転車がきちんと並ばなかったりするので、自転車同士が出し入れの際に邪魔になったりします。
駐輪場を使いやすくする、整理整頓するという意味で、広い駐輪場でも平置きラックが必要とされる場合が多いです。

平面式でスペースを抑えたい場合は、「傾斜ラック」か「スライドラック」がお勧めです。
ともに自転車のハンドル干渉を避けて収容することで、収容効率を上げます。違いは、固定式かスライド式か。
「傾斜ラック」は、固定式で隣り合うラックの高低差で自転車ハンドルの干渉を避けます。
「スライドラック」は、左右に稼働するスライド式で、隣り合うラックの前後差でハンドル干渉を緩和。隣り合う自転車を動かして出し入れすることができます。

平面式では必要台数を満たせない場合は、2段式の自転車ラックを

平面式では必要駐輪台数を満たせない場合、2段式の採用が考えられます。
2段式タイプは、2段式と垂直2段式で上段の仕様が大きく異なります。

「垂直2段式ラック」は、上段ラックを地面と平行状態のまま垂直に下げて、自転車を持ち上げずに自転車を収容。
収容後にラックを上げる際は、ばねの力で持ち上げをサポートし、女性でも軽々収容できます。
収容力と使いやすさを両立した自転車ラックで、自治体でも導入が進んでいます。
「2段式ラック」は、引き出した上段ラックが斜めに出てくるので、その斜めになったラックに自転車をもち上げながら載せる必要があります。
上段に子どもやお年寄りが自転車を収容するのは、とても重く、苦労するので、優先的に下段の自転車ラックを割り当てる運用が良いでしょう。
「2段式下段スライドラック」は、上段は2段式ラック、下段にスライドラックを採用。収容効率が最も高い自転車ラックになります。

マンション管理組合が自転車ラックを選ぶ際に、利便性を考慮することはもちろん大切ですが、心得ておくべき重要なポイントがもうひとつあります。
それは、使い勝手の良さの感じ方は、人によって違うということです。居住者が全員一致で同じ自転車ラックを便利だとは感じないのです。ラックが固定されている傾斜ラックの方が、安定感があって使いやすいという人も入れば、左右にラックを稼働できるスライドラックの方が良いという人もいます。自転車の種類によって、自転車ラックを使い分けたり、白線引きのエリアを設けるなどの工夫が必要かもしれません。いずれにせよ、製品の特長と収容能力をきちんと把握し、予算も考慮しながらラックを選定することが大切です。製品の選定にお悩みの方は私たちにお気軽にご相談ください。

また、利便性とあわせて重要なポイントは、メンテナンスです。
特に垂直2段式ラック、2段式ラック、スライドラックは可動部分があるので、メンテナンスを実施しないと動作不良を起こす可能性があります。長く快適に駐輪場を使い続けるためには、定期的なメンテナンスは欠かせません。
マンション駐輪場のリニューアルの際は、自転車ラックの入替だけでなく「定期的なメンテナンス」も検討しましょう。

間違いない駐輪場計画はビシクレットに

ビシクレットでは管理組合様より『この場所に何台の自転車ラックを置けるかを検討しました』と言って相談を受けることが多々あります。

そのような場合でも、必ず現地調査をして、要望をお聞きして、再度プランを考えるようにしています。なぜなら駐輪場設計で注意すべきポイントは、通常の家屋設計とはだいぶ視点が異なる為、例え設計士の方が引いた図面でも再度見直します。駐輪台数の確保より居住者サイドに立った提案内容が重要だと考えるからです。

失敗しないマンション駐輪場計画は、まずは【居住者の方々の不満点】を明確にする、【絶対必要駐輪台数】を明確にする、【要望の優先順位】を明確にするという手順をしっかり行うことです。

この事前手順をビシクレットが寄り添うかたちでアドバイスしていきます。そして、最後に自社製品にとらわれない最適なプランをご提案いたします。間違いの無い駐輪場をご一緒に作り上げます。

失敗しないマンション駐輪場リニューアルのために

マンション駐輪場のリニューアルについてさらに知りたい方は、小冊子「駐輪場リニューアル!ちょっとその前に」をぜひご覧ください。事例を交えた説明など、詳細にマンション駐輪場リニューアルのポイントを解説しております。また、居住者向けのアンケートフォーム(PDF/EXCEL)もご用意しています。
駐輪場をリニューアルする際、現状把握のためにアンケートは必ず必要になります。下記問い合わせフォームより無料でダウンロードができますので、ぜひご活用ください。

現地調査、見積依頼、製品について、カタログ請求など、お気軽にご相談ください。

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