自治体が抱える
放置自転車対策
-八王子市の場合-

商店街の放置自転車対策に悩んでいた八王子市。
駐輪場の設置、運営管理に留まらない地域密着の提案で、放置自転車対策のみならず地域の自転車環境向上に貢献しました。

CUSTOMER'S VOICE

やっと駅前の放置自転車対策も
限りなく仕上げに近づいてきました。

八王子市 道路交通部 交通事業課 主査

渡辺 富士夫 様

「自転車を道路に止めて何が悪いの?」

まずは文化や習慣を変えるところから

八王子市には大学をはじめ短大・専門学校など多くのキャンパスがあり、4月になると新入学生がそこかしこにあふれます。今でも地方出身の新入学生が初めて八王子に出てきて、赤札を付けられたり、自転車を撤去されたりしたら「自転車を道路に止めて何が悪いの?」とまず思うでしょう。それまで地方にいたときは自転車をどこにでも自由に置けたことが多かったわけです。わざわざ決められたところに自転車を駐輪しなければならないなんて、窮屈だと思うに違いありません。そうです、少なくとも放置自転車問題が出てくる前までは、地元の人もはじめは皆そう思っていたはずです。

行政機関である八王子市の放置自転車対策は、まさにその「決められたところに(時にはお金を支払って)きちんと駐輪する」文化・習慣を根付かせるための対応の積み重ねです。八王子市に自転車等の放置の防止に関する条例ができたのが平成3年です。これは全国的に放置自転車が問題になってきた時期です。実際に年間放置自転車の撤去台数がピークだったのは平成15年頃で2万4000台あまりでした。撤去台数がその数ですから、放置自転車はその10倍、20倍もあったと考えられます。巡回をして、撤去通告の赤札をつけ、それでも駄目なら撤去する、の繰り返しを根気強くつづける一方で、「どこに駐輪すればいいのか」という市民の声に対し、駐輪場の確保をしていかなければなりませんでした。

八王子市の特性と用地確保

八王子市には20の駅があり、その駅の規模や周りの環境は様々です。また市域も広く、山間部やニュータウン、古くからの商店街など住んでいる方の生活様式も様々です。その中で市民の方々に公平になるよう適切な用地を確保することは、予算的にも物理的にもなかなか難しいことです。駐輪場用地は必要だけど、それを確保するにはひと工夫もふた工夫も必要なのです。

小回りの利くビシクレットさんとの出会い

「西放射線ユーロ-ド」での創意工夫

有人管理の駐輪場を建設・運営をする業者さんとの付き合いがほとんどでしたので、駐輪場を設置しないで放置自転車を解決する方法や極小の土地を駐輪場にするための工夫などで手を焼くことも多くありました。そこにビシクレットさんの営業がやってきました。はじめて一緒に問題解決に取り組んだのが八王子駅北口商店街「西放射線ユーロード」です。ここは土日祝日にはイベントを行う広場に変わることが多いので、常設の駐輪場は設置できません。しかし、放置自転車は撤去の対象になる場所です。そのままでは商店街としては、自転車のお客様を逃してしまいます。行政としてもこの矛盾を解決しなければなりません。

そこで、移動式のサインラックを簡易駐輪場に早変わりさせる方法をビシクレットさんと一緒に考えました。商店街も一緒になって何度か試作を繰り返し、お店側も扱いやすい方法となり、また安全性を高めたことで警察の道路使用許可も下りました。結果として、ユーロード独自の特徴ある放置自転車対策となったのです。

三者協働の「八王子駅北口ジョイ五番街通り自転車駐輪帯」

八王子駅北口は様々な商店が密集し、一時利用の既存駐輪場が常に満車状態で、買い物客用の駐輪場が絶対的に不足している状態でした。そこで地元商店街と相談し、市道の歩道部分を駐輪場用地として無償で提供し、ビシクレット側が駐輪場を設置・運営をするという三者協定を締結することになりました。

その結果、ビシクレットさんにより5か所に149台の電磁ロック式サイクルラックが設置されました(駐輪帯)。買い物の荷物が多くても使いやすいように、また最近の電動自転車や子ども乗せ自転車でも自転車同士の干渉が少ないように、幅をとり、ローラックを採用していただきました。実際に設置された駐輪帯は利用頻度も高く、ほとんどの場合利用者により綺麗に駐輪された状態で、通行にも迷惑のかかることなく、周りに放置自転車が見られない状態になりました。

「八王子駅周辺駐輪場MAP」も作成

ビシクレットさんの柔軟な発想で出来たのがこの駐輪場マップです。駐輪場の場所が分かりづらいという市民の声と案内できるツールが欲しいという放置自転車指導員の声に応えて、八王子駅周辺の公共施設や各駐輪場などで手に入れることができるようにしています。おかげでどこに止めたらいいのというお問い合わせやクレームもかなり少なくなりました。放置自転車対策は、絶対に0になるということは無いですが、行政としては仕上げの最終段階に入った感じがしております。

次はバイク駐輪場に着手

バイクの駐輪場を確保しようと八王子駅南口に土地を取得する準備をしているところです。
放置自転車問題を解決していく一方で、新たにバイクの駐輪場問題もクローズアップされ始めました。今までバイクはあくまで警察の管轄ということで自転車に焦点を当ててきましたが、これからは着眼点を広く持ち、バイクも含めた駐輪場という観点で駐輪場問題に当たっていきたいと考えています。

現地調査、見積依頼、製品について、カタログ請求など、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ / 資料請求